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イギリスがEU離脱へ、貿易・物流への影響は?

えらいことになった!!

というのは今の大河ドラマ(真田丸)での名シーンですが、

こちらヨーロッパでも、そんな状況になるかもしれません。

 

イギリスの国民投票でEU離脱へ 

が決定しました。

 

今後どのようになっていくのか、というのは、誰もが気にしていることですが、

よく言われているのは、少なくともEU離脱までに数年間はかかる、ということです。

法律や制度、または運用システム等、手続きをしなければいけない点が多すぎる、ということですね。

ただ、あいにく、株価や為替といった金融的な話は私の専門ではありませんので、

あくまでも貿易、物流に関連するビジネスの面でお話しようと思います。

 

イギリスがEUを離脱するとどうなるの?

EUの国々にとって、日本や中国と同じ立場の国、ということになります。

つまり、極端な言い方をすれば、ただの外国です。

 

EUのどこかの国で輸入された製品は、EU内のどの国にも自由に輸送することができます。

もちろん、イギリスもEUの一員として、例えばフランスからイギリスに製品や部品を運んでも、

輸入通関や関税が必要ということはありませんでした。

日本からフランスに製品を運べば、当然輸入通関や関税がかかるのとは対照的です。

 

今回の国民投票では、イギリスは、少なくとも貿易や物流という面において、

EUと日本の関係と同じ関係になることを選んだ、ということができます。
では本題に戻りますが、

イギリスのEU離脱により、日本のどういう企業が影響を受けるのでしょうか?

 

EU内に工場を持ち、原材料等をイギリスから調達している日系企業

例えば、ドイツに工場を持ち、イギリスから原材料や部品を購入している場合、

これまでは関税はかからず、輸送費のみでしたが、

イギリスがEUから離脱し、EUとイギリスとの貿易で税率が設定された場合、

その原材料や部品に、関税が発生することになります。

利益を上げなければいけないという至上命題のある企業にとって、

単純に新たなコストが生まれる、ということになります。

このようになると、イギリスからの購入ではなく、EU内調達に切り替えるという動きがでてくるはずです。

つまり、欧州サプライチェーンに多大なる影響を与えることになります。

 

イギリス国内に工場を持ち、EU内で販売している日系企業

イギリス国外から原材料を調達する場合に、イギリスでの輸入通関や関税の支払い等が発生する可能性があります。

また、イギリスの工場で製造された製品が、イギリス国内のマーケットだけで販売される場合は、この関税のみですみますが、

EUに輸出する場合には、EUで関税の支払いが発生する可能性があります。

 

EU内に欧州中央倉庫を持っている日系企業

例えば、日本の会社がオランダやベルギーに物流拠点を持ち、

EU各国の販売会社に商品や部品を配送しているケースでも、この影響は出てくるでしょう。

オランダに現地法人を持ち、オランダの物流会社に在庫を保管している場合には、

イギリス発送分のみは保税保管といった、管理方法に変更が必要になるかと思います。

そのようにしなければ、関税がEUとイギリスで2重で発生する可能性があります。

また、イギリスがEUを離脱することで、

EUのVAT共通システム(VIES, VAT Information Exchange Systemの略)から切り離されることが予想されるため、

オランダやベルギーで、Fiscal Representative(税務代理人制度)を使って輸入、イギリスの販売業者に転売している企業は、

この制度がイギリスには使えなくなることから、アジアやアメリカ等の工場から、イギリスの販売業者へ直送する必要がでてきます。

発送先が増えることは、コストアップにつながる恐れがあります。

 

 

EU規則に関連する製品をEUで販売している日系企業

例えば、EU規則の一つである、REACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of CHemicalsの頭文字、化学物質法規制のこと)は

EU内で適用されますが、イギリスがEUから離脱し、独自で別のルールを作ることで、

イギリスでの販売分は、その規則を遵守することが必要になり、企業としてはその分、

調査や申請等の管理コストが発生することになります。

他にも、CE MarkやWEEE指令等、EUには様々な規則がありますが、それぞれイギリス独自で持つことで、

各企業はイギリスマーケットのみのために、その新たな規則遵守に向けた対応をする必要がでてきます。

 

 

イギリスのEU離脱による大きな影響を受けるケースを具体例を使って説明しました。

正直に言いますと、貿易や物流を行っている企業にとっては、イギリスのEU離脱は、デメリットがほとんどです。

従いまして、今後様々な業界団体から色々な反発や改善案がでてくるとは思います。

ただ、現在までの情報として、離婚後に仲良くすることはできない、というEU側の主張がありましたので、

イギリスにとって、EUを離脱してEUと都合よくビジネスが出来る環境にはEU側が拒否する、という見方が強いようです。

在欧州の日系企業の皆様、ヨーロッパと貿易活動を行っている日本企業の皆様、

今後の動向にご注意ください。

☆新たな動向としてのイギリス分裂、スコットランド、北アイルランド独立に関する記事も掲載しましたので、

こちらをご覧ください。

 

 

 

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