【欧州物流】保税とT1 輸送について

A hasp and staple on an old warehouse door.

EUの物流会社から見積もりをとった際に、

T1 document : EUR○○ / document  というような感じで設定されていないでしょうか。

これは、T1 document を1枚発行するごとに、何ユーロかかります、という意味です。

(日本から)EUへの航空輸入とすれば、ヨーロッパの空港に到着し、

輸入通関のために現地物流会社の保税倉庫に入れるのに、T1 が必要ですし、

保税倉庫から、別の保税倉庫に移動させるにもT1 が必要になります。

皆さんのEU物流でどのタイミングでT1 が発行されるかは、物流の内容によって変わるため、確認しなければいけませんが、

EU物流としては欠かせない書類となっています。

 

島国である日本では、そもそも”保税”という感覚があまり一般的ではありませんが、

ヨーロッパ諸国は、多くの小さな国や大きな国が一つになって、EUとして形成されています。

その中には、自国で港や空港を持たない程小さな国もあり、

そのような国は、自国の物流を他国のインフラに依存していることになりますね。

当然、国を跨ぐごとに税金を支払っていては、商品価格が、何倍にも膨れ上がってしまうわけで、

必要な場所(国)で輸入通関をするまで、関税や税金を払わずに輸送できることが求められます。

 

T1輸送は、上述したように、ヨーロッパ地域の事情の中で出てきた制度で、

T1輸送を一言で表すと、

保税状態(輸入通関をしていない、外貨の状態)での輸送、

になります。

よく勘違いが起きるのですが、輸送状態にある、というのが大事で、

保税状態のための書類ではありません。

 

さて、T1の状態であることを示すための書類を、T1 document と言います。

この書類が発行されて、保税状態での輸送が可能になります。

このT1というのは、保税状態の製品を動かす場合に作成され、

保税地域(倉庫)から保税地域(倉庫)までの輸送に限定されるわけです。

当然、税金の支払いが行われていない製品、になりますので、

既にヨーロッパ内に流通している製品とは、明確に分けられていなければならず、厳格な運用ルールがあります。

T1

書類のサンプルを添付しましたが、

中身については、T1であること以外にも、荷主、保税倉庫、個数、重量、B/L番号、コンテナ番号、HS Code等が書かれています。

また、このT1書類は、総合物流会社はもちろんのこと、現地の物流会社、倉庫会社、通関業者、混載業者、

さらには航空会社や船会社といった、いわゆる”キャリア”も保税倉庫(エリア)を利用し、保税輸送が必要な場合があるため、

T1書類を発行することができます。

(T1書類を発行できることと、輸出入の通関をかけることができる、というのはイコールではありません。)

 

その後、保税貨物が保税倉庫に到着したら、

受け取った保税地域(倉庫)は、そのT1を閉めることで、T1 documentはその効力がなくなります。(T1 closeという言い方をします。)

 

では、よくある保税輸送の典型例を見てみましょう。

輸入者はドイツのデュッセルドルフの会社で、コンテナがロッテルダム港に到着したと仮定します。

ロッテルダム港のターミナルでコンテナがおろされ、

港の保税地域にコンテナが引き取られる間、蔵置されますので、

物流業者はT1 documentを発行し、コンテナを引き取り、ドイツのデュッセルドルフの保税倉庫までドレージします。

デュッセルドルフの保税倉庫は、コンテナを受け取り、T1 closeの処理を行います。

そして、ドイツの輸入者は、通関業者に依頼し、その保税倉庫にあるコンテナの輸入申告をかけて、

関税やVATを支払い通関許可を得ると、

EU内貨として、EU内を自由に移動させることができるようになります。

 

 

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