オランダは、輸入VATの一時払いが不要なの?

貿易をする上で、欠かせないものが、物流コストや税金です。

製品を売るのに、コストが分からなければ、売値を計算することはできません。

最近では、EUと日本は自由貿易協定に向けて、協議が行われている、と言われていますが、

一足先に、2011年にEUと韓国がFTAを締結した後、韓国産の製品の関税がみるみる0%に変更されていったのを、よく覚えています。

関税は還付されるものではなく、完全に徴収されるものですが、輸入時に支払うべき、もう一つの税金があります。

それが、輸入 VAT (Value Added Tax) です。ご存じの通り、消費税の一種で、EUは20%を超える国がほとんどです。

 

<輸入VATの計算方法>

オランダを含めEUのどの国でも、輸入の際には、関税以外に輸入VATが発生し、輸入者はそれを税関に支払う必要があります。

実際のEUでの輸入VATの計算方法としましては、

輸入VAT = (CIF 価格 + 関税) X 21 % (VAT税率)  となります。

 

例えば、(CIF価格が1500万円 + 関税5%) X 2 1% = 330万円 です。 (分かりやすく、円で計算しています。本当はユーロですね。)

1500万円の商品を輸入するだけで、330万円近くの輸入VATがオランダ税関に一時的に徴収されることになるわけです。

また、330万円近くの金額を、無料で長期間立て替えてくれる業者はいないでしょうから、

通関業者から建て替え手数料が上乗せされる場合もあります。

通常、輸入VATは還付されるものですので、だいたい数か月後には戻ってきますが、

会社のキャッシュフローのことを考えると、一時的であっても払いたくありませんよね?

 

<Article 23とは>

オランダにヨーロッパ物流拠点を置くための最大のメリットの一つでもある、

“Article 23″のライセンスを、オランダの輸入者持つことで、輸入VATの一時払いが不要になります。

発音としては、アーティクル 23 と呼べばいいのですが、

オランダのある法律の23箇条に書かれてあるもので、オランダの貿易・物流業界では、Article 23でだいたい通じます。

Article 23は、一時払い(キャッシュアウト)を防ぐための特別なライセンスで、

上記の例で言えば、330万円の一時払いをしなくてもよい、ということになります。

ただあくまでも、支払い義務がなくなるわけではなく、輸入VATを帳簿上でしっかり申告しなさい、という意味ですのでご注意ください。

この帳簿上というのは、定期的に申告が必要なVAT Returnのことで、法人は必ずしなければなりません。

因みに、オランダでは、貿易をしているほとんどの企業(輸入者)はArticle 23 を持っています。

物流会社や通関業者は、オランダでの輸入時に税関システムに輸入者情報を入力することで、

その輸入者がArticle 23を持っているかどうかが、分かるようになっています。

持っていない場合は、VATの請求額が税関システム内で計算されます。

 

<Article 23の取得方法>

オランダの税務署に対して、正式に手紙で申請をする必要があります。

輸入者のVAT番号を含め、どの国から、何をどれぐらい(量や金額)、等といった情報を元に、

税務署が8週間以内に結論を出す、というルールになっています。

あなたの会社がオランダやEUになく、一般税務代理人(General Fiscal Representative)をたてる場合、

代理で申請してもらうことも出来ます。

税務署からの判断として、銀行証明(Bank Guarantee)の提出が必要になるケースもあるようです。

いずれにしましても、Article 23については、税金の申告等に関係することで、

複雑な部分がありますので、会計事務所等、事前に相談されることをお勧め致します。

 

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