【欧州在庫 3】 税務代理人制度を活用して、納期で他社に負けない仕組みを作ろう。

<非居住者でも、オランダで在庫、輸入、供給ができます。>

細かく説明するよりも、2つほど、例を挙げた方が分かりやすいと思います。

 

1, 納期を短くして、ヨーロッパでの取引先を拡大したい

=>ヨーロッパ側に現地法人や輸入・販売会社がない場合、

日本や製造国からヨーロッパ各国のそれぞれの輸入者に直送をしているかと思います。

海上輸送では1カ月半以上かかり、製造の遅延のために、急遽航空輸送に切り替えて、

その輸送費を自社で補った、という苦いご経験がある方も多いのではないでしょうか。

オランダでは、これまで各国へ直送していた出荷をまとめ、全てをオランダに出荷して、

オランダで”コンサイメントストック”として、在庫を持つことができます。

これは、物流(倉庫)会社に在庫の管理を委託する、”委託在庫”という言い方もします。

あくまでも、日本本社の名義(非居住者)として、日本の近くの倉庫に置くような感覚でオランダに在庫を持つことが出来ますので、

物流拠点としての欧州中央倉庫(European Distribution Center)の仕組みを作ることができます。

 

2,顧客がヨーロッパで工場を建てて、原料の取引にDDPを要求

=>皆さんの顧客がヨーロッパ(EU内)に工場を新設することもありますよね。

例えば、顧客がポーランドに工場を建てて、皆さんの会社はその工場に原料を納品するとします。

でもこの顧客の要望がDDP で、輸入者にはならない、その原料を受け取るだけ、と主張されたらどうしましょう?

これも、非居住者としてオランダで輸入し、顧客のポーランド工場に供給(配達)することで、解決が出来ます。

 

ここで重要なことは、1も2もどちらも商流(お金、売買の流れ)は変わらない、ということです。

あくまでも、”日本から売る”、”オランダで輸入し供給する”のであって、オランダから”販売するのではない” わけですね。

オランダが販売拠点や料金を交渉する場になってしまうと、国際税務上の恒久的施設(Permanent Establishment)があると認められ、

外国法人(非居住者)であっても、事業法人税に関する課税対象になる恐れがあり、

ここで言う、非居住者在庫、というテクニックからは外れます。

 

さて、EU(オランダ)で輸入をして供給する、というのはどういうことでしょうか。

輸入者は、EU(オランダ)での輸入時に関税やVATを支払う義務を負う、ということですね。

輸入の大原則は、オランダに会社があろうがなかろうが、会社であろうが個人であろうが、同じです。

EUでの輸入通関は、輸入時の関税やVATの納付と共に、許可がおりますので、

個人は、旅行者として空港の税関で申告手続きをとればよく、

外国法人(非居住者)は、オランダ企業である税務代理人を指定し、VATの申告を委任することで、

外国法人であっても、オランダで輸入や供給が出来るようになります。

 

<Fiscal Representative、税務(納税)代理人制度について>

発音は、フィスカル レップ(Fiscal Rep.)という言い方をします。

日本には、フィジカル(Physical)レップと誤解して発音されている方が多いので、気を付けてください。(笑)

“Physical =肉体的な” ではなく(笑)、”Fiscal =会計上の”  “Representativeは=代理人”、という意味ですね。

 

さて、税務(納税)代理人制度には2種類あります。

*General Fiscal Representation、一般税務(納税)代理人

外国法人(非居住者)が、オランダで自社のVAT番号を取得し、

そのVATの申告義務を税務代理人に委任することで、利用できる制度です。

その取得したVAT番号には、Article 23のライセンスを付与させることで、

オランダでの輸入VATの一時払いの必要がなく、関税のみの支払いで輸入通関ができる、というメリットがあります。

ただ、次の制限税務代理人と違って、外国法人である自社でVAT番号を持つことから、

輸入時の関税やVATを担保するための、銀行保証が必要になります。

また、この制度における利点は、EU内(域内)での取得及び、その供給も可能です。

例1のパターンは、こちらに該当します。

 

*Limited Fiscal Representation、制限税務(納税)代理人

これは、税務代理人のVAT番号を使って、輸入、供給を行う、という制度ですね。

外国法人としては、自社でVAT番号の登録を行う必要がなく、銀行保証も必要ないことから、

簡単な制度と言えますね。さらに、税務代理人のVAT番号にArticle 23のライセンスが付与されていれば、

実払いは不要で、VATの一時支払いは不要になります。

当然、税務代理人のVAT申告時に、当該外国法人のVAT申告も行われることになります。

一般税務代理人と違って、手続きが簡単ではあり魅力的ではありますが、出来ることが輸入、供給のみに制限されています。

例2のパターンはこれを利用することで、問題が解決するかと思います。

 

 

 

 

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